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新釈「五輪書」 宮本武蔵の哲学を読む

佐々木小次郎との戦い、二刀流の遣い手、六十数回の試合に無敗……など、人それぞれに頭に浮かべるイメージは異なるだろうが、戦国末期から江戸初期にかけて生きた、不世出の天才剣豪・宮本武蔵の名を知らない日本人は、まずいないだろう。
しかし、武蔵が最晩年に書き記したといわれる「五輪書」を読み、その武芸観、哲学まで一応は知っているという人がどれほどいるかというと、その数は、ぐっと減るのではないだろうか。
本書は、400字詰め原稿用紙にしてわずか八十数枚、武蔵が真剣勝負のなかから築いた武芸の奥義をまとめた「五輪書」を、現代人に理解しやすいように、原文とともに評釈を加えたものである。
「五輪書」は言うまでもなく兵法書だが、敵という言葉に象徴された人間関係、絶えず死と隣り合わせだった武蔵の覚悟は、驚くほどビジネスの世界に通じる「勝ち方の極意」に満ちた書と言って差し支えない。
心の武装書として、一読を薦めたい。




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