「名刺で仕事をするな」というのは、昭和10年、私が朝日新聞に入社した時、いわれたことばである。<br />以来、私はいろいろな人に会い、さまざまな本を読んだが、ビジネスマンのことばとして、これにまさるものはない、と思っている。<br />肩書とか会社名などというものは、いわば風袋で、風袋をとったところに、人間の真価がでてくる。<br />ビジネスマンの勝負は、だから、ほんとうは「定年で会社を辞めてから」ともいえるかも知れない。<br />