脳死・クローン・遺伝子治療 バイオエシックスの練習問題
バイオエシックス(生命倫理学)とは、1970年代以降、生命科学のめざましい発達に伴って生まれた新しい学問である。
医療技術について、その安全性や許容基準を判断することを目的に、欧米圏を中心にして成立した。
従来のバイオエシックスの原則は、「成人で判断能力のある者は、自分の身体と生命の質について、他人に危害を加えないかぎり、自己決定の権利を持つ」ということであった。
しかし、私の遺体についての決定権を持つのは私なのか家族なのか? 等々、最新技術が提起する様々な課題は、もはや、従来の自由主義・個人主義では判断できない。
本書では、「脳死と臓器移植」「性と生殖の倫理」「クローン人間の練習問題」「患者の権利」「遺伝子治療と人間の未来」などの問題をとりあげ、その複雑な論点を整理し、バイオエシックスの新たな枠組みを提示する。
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