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「日本型うつ病社会」の構造 心理学者が見た停滞する日本の現状と未来

いま多くの日本人は経済的に苦しみ、それに呼応し心の病も深刻化している。
なぜ心の病が増えているのか。
なぜ、そのような状況を生むことになったのか。
本書で著者は、その原因を明らかにしようと試みている。
本書の底本が書かれたのは2003年である。
当時は構造改革の真っ只中。
長引く不況で失業者は400万人を超え、経営苦を理由に自殺する経営者が急増していた。
その当時と現在の日本人の「経済と心理の関係」は基本的に変わっていない、と著者は指摘する。
では、なぜいま日本人の多くが閉塞感を感じているのだろうか。
著者は、急激な構造改革、不況による閉塞感が、もともと「うつ気質」の日本人の「心」に影響し、日本的な人間関係や社会性の崩壊を生み出していると言う。
つまり、「うつ気質」の日本人に、改革や経済成長を求めてきたこと。
そのこと自体に無理があったのだと言うわけである。
心理学の視点から現代日本に警鐘を鳴らす1冊。




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