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右であれ左であれ、わが祖国日本

改憲か護憲か、親米か反米か、愛国心は是か非か──。
左右イデオロギーの対立軸だけで国家を論じるのは思考停止だ。
著者は、日本の過去五百年の歴史をふまえ、二つの独創的な視点で国家を論じようとしている。
一つは、日本という国のとりうるかたちは、三つのモデルに集約されるという視点。
つまり、信長型の「国際日本」、秀吉型の「大日本」、家康型の「小日本」という三つのモデルで考える国家論を披瀝する。
さらに二つ目の視点は、日本は常に、三つの主勢力(中国・ロシア・西洋)との距離のとり方によって国運が左右された、という指摘。
そして、この「三つのモデル」と「三つの主勢力」という枠組みから、憲法第九条、集団的自衛権、核武装論、六カ国協議、への対応策を導き出す。
著者の専門は文化人類学であるだけに、イデオロギーにとらわれない地政学的発想が新鮮である。
まさに、「右翼」も「左翼」も語らなかった独創的な国家論といえる。




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