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古武術からの発想

目まぐるしく動いていく現代社会。
何が良くて、何が悪いのかが見えにくい時代である。
その混沌とした状況の中で私たちは生きていく重心をどこに置き、どう対応していけばいいのか、誰しもが悩み、考えるのではないか? 現代人の常識を覆すその独特の身体論が、スポーツ界をはじめ、各方面から注目をされている著者も、同様に考え抜いている。
しかし、身体を通して見るその視点は、私たちが見過ごしやすい世の中の事象を鋭くとらえる。
また、歴史の中で忘れられた古伝の術理から、常に新たな発想を見出すのである。
本書は、前作『武術の新・人間学』から時を経てさらに進展した「『小よく大を制す』武術の復活」「相手の予測を外す無住心剣術」のような技の新たな展開はもちろん、古武術を通して見える日本の教育や科学への疑問までを、架空の人物との対話形式で著者が語り尽くすものである。
人間の身体と思考が秘める未だ見ぬ可能性を示唆する一冊である。




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