人民元が基軸通貨になる日
中国はいま、東南アジアを中心に「人民元通貨圏」の実現に向けて着実に手を打っている。
自国の通貨をできるだけ多く流通させることで、国内経済は「デフレ」にならず、海外では圧倒的なプレゼンスを握ることができる。
人民元の台頭は、たんなる為替現象ではない。
中国の国家的意思の表明である。
ひるがえって、日本では「円高がよいか」「円安がよいか」という議論が行われている。
しかし、通貨というものを考えるにあたって、もっとも大事な点は「量」である。
円の量を増やすと「円安」で力を落としてしまうという考えは、反対に日本の存在をますます希薄にしているだけなのだ。
日本経済が抱える最大の問題である「デフレ」もまた、通貨の増加、すなわちインフレ・ターゲット政策を行なうことによって、はじめて脱却することができる。
人民元とドル、ユーロ、円の攻防戦をあますところなく考察し、これからのグローバル経済を生きる指針を指し示す一冊である。
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