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西洋美術史から日本が見える

西洋美術史を学ぶと西洋の文化がより鮮明に見えてくる。
赤い薔薇は「性愛の女神」アフロディテを表すので、お客様の目に付くところに飾るのは品がない。
なのに、外国文化大好きな人たちは、そういうことを知らずに赤い薔薇を自慢したりする。
無邪気なだけに性質(たち)が悪い。
基本を知っていて崩すのと、知らないのとでは、まったく違う。
そもそも、何でも表面だけ取り入れる「おフランス」病から抜け出して、むしろ日本人としての矜持を持つべきだ。
ワインはヨーロッパ人にとっては地酒のようなもの。
日本人なら、ワインについてうんちくを傾けるよりも、日本酒に詳しいほうが断然素晴らしい。
西洋美術史を学ぶのは「西洋かぶれ」ではない。
西洋美術史を学べば、日本のことも客観的に見ることができて、もっと楽しめるはずなのだ。
市民講座などで大人気の講師による、エスプリの効いたエッセイ集。




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