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板垣征四郎と石原莞爾 東亜の平和を望みつづけて

「この人は何でもわかっている。
この人はすべてお見通しだ」。
満州国の建国に携わり、東京裁判でA級戦犯として死刑に処せられた陸軍大臣・板垣征四郎。
本書は彼の生涯と昭和前期の日本に光を当てる、壮大な試みである。
諸民族が入り乱れた満州の地に、アジア人の五族協和・王道楽土を求めた石原莞爾の思いを汲み、自らは「不言実行」を貫いた板垣の生き様は、「この日本にしてこの人物あり」と思わせるものだ。
時代や社会は個人とともにある。
本書は興隆期にあった日本の力、品格、高潔さを体現する存在として、板垣と国家を重ね合わせている。
さらに、著者は「日本がいかに強大であったか」という観点から、第二次世界大戦における「日本が勝利するチャンス」(歴史の仮説)をも提示する。
それは当時の日本の国力と地政学に裏付けられたものであり、イデオロギーや虚仮威しとは無縁であることを記しておく。
日本とともに戦った男の生涯が、開封される時が来た。




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