ドキュメント 太平洋戦争への道 「昭和史の転回点」はどこにあったか
歴史の真相を探るとき、そこには必ず「そこに至るまでの過程」と、「その原因となった火種」を見出すことができる。
昭和16年12月8日未明の真珠湾奇襲に始まる太平洋戦争開戦にも、もちろん「そこに至るまでの過程」があった。
本書は、日本がなぜ、太平洋戦争開戦を決定するに至ったのか。
その過程を克明に描いた歴史ドキュメントである。
一般的に「太平洋戦争への道」といえば、満州事変から論じられることが多いが、著者は「‘海軍がなぜ開戦にノーといえなかったか’遠因をさぐるため」に、あえて昭和5年のロンドン海軍軍縮条約批准をめぐる統帥権干犯問題を第1章においている。
それは、「複雑に絡んだ昭和史の謎を解く鍵は統帥権という‘魔物’にある」からだという。
手記や資料から歴史的事実のみを徹底的に拾い出しつつ、11年間におよぶ昭和史の転換点をドラマのように活写した文章は、長年『文藝春秋』の編集に携わった者の芸そのものである。
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