希望の一本松
鉄製の幹が、鈍い光を放つ。
津波に剥がされた皮の痕が生々しい。
2014年3月27日、岩手県陸前高田市。
自動車に使われる鋼板でできた1本の松が、市に寄贈された。
東日本大震災で激甚な被害を経験した被災地の復興のシンボルとなった「奇跡の一本松」を総力を挙げて再現せよ――日本自動車工業会会長の豊田章男(トヨタ社長)の号令のもと、14の自動車メーカーの若手技術者が力を合わせた成果だ。
「復興をめざし頑張ろうという気持ちを表してくれる、そんな一本松をつくってほしい」という地元の声に、日本の匠のこころはどう応えたのか? 度重なる困難、大幅なやり直し、それらを乗り越えた知恵と工夫。
「希望」を形にした技術者たちの、苦闘と感動のドラマ。
※本商品は通常の書籍より文字数の少ないマイクロコンテンツです。
【文字数:5343文字/単行本換算で9ページ】
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