特攻で命を失った者は6千人近くにのぼる。<br />軍の中でも「外道」とされた戦術では、ベテランパイロットが温存され、飛行機に乗り始めたばかりの多数の若者たちが駆り出された。<br />「志願するか」と問われ、「しない」は許されない。<br />命令し、見送るのは権力を持つ人間たちだ。<br />「偉い人たちは特攻に行かない。<br />命を軽く扱われた者のみじめさ。<br />それを、どうか伝えてほしい」。<br />生き残った元特攻隊員が吐露する切なる思い。<br />戦後70年、それを学習しようとしなかった国家と国民が、いま再び迷走を始めている。<br />