自宅に戻るか、痛みを制御するホスピスに入院するか。<br />治療の選択肢がなくなった末期がんの夫は、自宅での「在宅医療」を希望した。<br />妻と同居する次女の介護が始まった。<br />「腰、痛い、痛いよー」「死にたい」。<br />介護用ベッドで闘病生活を送る夫は痛みを訴え、頻繁に叫んだ。<br />夜中に大声を出して動き回るばかりか、うつ病も合併していた。<br />そして輸血――。<br />神奈川県横須賀市のある家族が立ち会った在宅介護から看取りまでの眠れぬ日々を通して、団塊世代の在宅医療の現実を丁寧に追う。<br />