愛欲の精神史
インド・日本の仏教を中心とする宗教・思想を研究し続けてきた著者の内部につねにあったのは、「愛欲」というテーマだった。
ガンディーの「非暴力」の思想の背後にある「性ののり超え」という性的実験や、空海と最澄における「禁欲」のあり方の相違などを検討していく過程で、人間の思想の根源には<愛欲>に対する抑圧/昇華の相克があることが次第に明らかになっていく。
そしてガンディーや空海による「エロスの昇華」がたどり着くのは、男性/女性という性を超越する「性の空無化」であり、その象徴が『源氏物語』の光源氏だった…。
エロスの匂いに導かれた著者永年の探求がついに描き出した、エロスをめぐる時空を超えた壮大なマンダラ模様。
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