真打昇進に17年もかかった。<br />キックボクシングのリングアナウンサーをはじめ、ずいぶんと回り道をしてきた。<br />十八番の自作落語「会長への道」で大看板を葬り、師匠を殺し、先輩を追いやっていたら、本当に落語協会の会長に就任してしまった。<br />顔も怖いが高座もこわい。<br />でも、心根はほんとうに優しい親分肌の人情師匠。<br />落語家人生50年。<br />10年前に刊行した名著『会長への道』に、師匠小さん、僚友志ん朝をおくる章を新たに書き下ろし。<br />抱腹絶倒の楽屋噺。<br />