放浪哲学 11年かけて130カ国15万キロの自転車ひとり旅
やろうと決めて努力すれば、できないことは何もない。
「自分の体力で自転車世界一周ができるか」。
11年前、こんな思いにかられて、6年間の住宅メーカー勤めでためた600万円を元手に、愛車にまたがって旅に出た。
日本を拠点にした場合の「自転車世界一周」の定義は、「大西洋を挟んで2大陸以上を走破し、赤道を越えること」。
3年半ほどかけて60ぐらいの国を回れば、と思っていたが、行きたくなったところを走っているうち、訪れた国は130か国に。
走行距離は地球4週分に近い15万1849kmになった。
南極以外の大陸はすべて走った。
タイヤ82本、チェーン15本をつぶし、ペダルは5回交換した。
「世界一周」を果たした日本人は約70人いるが、117か国、11万6780kmというこれまでの通過国数、走行距離の記録を大きく塗り替えた。
ブラジルではサッカーの王様ペレさん、米国ではカーター元大統領に、アポなしで面会した。
「頑張って旅を続けて」と励まされた。
アフリカ南部のナミブ砂漠では、面会したくないハイエナが2頭現れた。
料理用ナイフを握りしめ、野宿のテントの中でじっとしていたが、「立ち去った後も不安だった」。
日本アドベンチャー・サイクリストクラブの「地球体験ぺダリアン大賞」を受賞。
苦楽を共にした愛車とゴールに決めた授賞式に臨み日焼けした顔に笑みを浮かべた。
やろうと決めて努力すれば、できないことは何もない。
やろうとしなければ、チャンスは逃げていく。
世界一のものを求めて、単身、自転車で世界を走破した青年の手記。
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