国宝で世界文化遺産の姫路城、別名「白鷺城」の城下町・姫路を中心とした地域を播磨という。<br />この地で、一九二九年生まれの著者は、文化団体の興亡、反戦、公害告発など、現代史の渦中にあって詩人・編集者として奮闘した。<br />周りでも、多くの文化人が歴史に参加し、翻弄され、痕跡を記した。<br />著者は、それらを、過去まで遡り、等身大の目線で丹念に拾っていく。<br />記号としてしか伝わらない箇条書きの歴史の、裏にある物語を慈しむように。<br />