平凡な生涯を送るはずだった一地方の家老の娘。<br />夫が元禄赤穂事件第二幕の主人公となったがゆえ、かけがえのない家族を失いながらも健気に生きた理玖。<br />これは歴史小説ではなく、理玖の生誕地で地域史に長年関わってきた著者が、その生涯を追いかけたノンフィクションであり、客観的な歴史的事実を積み重ねたありのままの実像が描かれている。<br />周辺の人々や事柄についての記述も多く、当時の武士階級の日常を知る資料としても興味深い。<br />