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今、ビリオン神父を追う

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ビリオンは幕末に宣教師として長崎に入るが、そのとき見た光景は長崎から追われていく隠れキリシタンであった。
幕末の日本に訪れた西洋人は多かった。
その大部分が商人であったり、黄金の国ジパングで一儲けしようとする海賊まがいの者まで多種多様であった。
しかし、ビリオンは持ち前の気力・知性・体力で、日本各地で宣教活動を始める。
真摯な姿は日本人の心を揺さぶり、また一方ではユーモラスで気さくな人物でもあり、その風貌は「おばちゃん」とまちがえられたりもした。
大隈重信には洋書を渡し、西洋を活字で見せた。
たんに宣教師にとどまらないビリオンは、西洋人だが、幕末に存在感を示した志士でもあった、と言える。
昭和まで生きた、幕末の西洋を語る一冊である。
著者のホセ・パラシオスは、彼の姿をまるで目に見えるように、洒脱な日本語で語る。




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