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愛と死と音楽 西欧ロマン派の心

「音楽とは、心。
あなた一人に向かって、真っ直に迫ってくる、作曲家の愛」。
と、この本の著者・ブリオンは、考えています。
音楽は、聴く人の心の奥底に、真実の光を放つ愛を探り当てて、その人本来の生き方へと導きます。
その様子を、本書・第一部「詩と音楽、そして、愛」の中で、トルストイ、ゲーテ、ホフマン、スタンダールなどの作家が語っています。
第二部「愛をこめて歌え、お前の歌を」で、中世ヨーロッパの吟遊詩人たちの愛の歌を、近代西欧ロマン派のさきがけ、と論じた著者は、本書の眼目である、第三部「愛の呼び声、リート」で、モーツァルト、ベートーベン、シューベルト、ウェーバー、メンデルスゾーン、シューマン、ブラームス、リスト、ショパン、ワーグナー、シェーンベルクなどの、オペラや、主要な歌曲すべての、魅力と美しさを、生き生きと具体的に説いています。
個々の作曲家の心と生き方を詩と音楽によって織り上げ、死への思いにウラづけられた深い愛として、読者(聴衆)の心に、切々と、送りとどけてきます。
さらに、その作業を、作曲家の周辺と人生の全体に広げているのが第四部「大作曲家の生涯に見る、愛と音楽」。
本書を読んだ人には、音楽は、旧知のように、心を開いて語りかけてくれます。
ウィーン古典派の巨匠・モーツァルトを、「感性と思想は、ロマン派」と論じる、著者マルセル・ブリオン(1895?1984)は、ロマン派研究の世界的権威。
七十二才で書いた本書は、分かり易く、楽しく、伸びやかな語り口なので、読んでいる日本人は、「西欧ロマン派」と日本人の心の不思議な共通点を、自然なものとして実感することができます。
文学その他の芸術との交流の中で、西欧文化や人間の本質を考えさせてくれる、人文科学の基本図書です。
訳者は、東大大学院修了、元大学教員。




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