本ものの幸福の、ありか 新しい幸福論の提唱
著者のカズヌーヴは、一九一五年、イタリア生まれ、フランスとアメリカで社会学、人類学を学んだ人。
人間にとって幸福とは何か、という問いを、これまでの西欧中心の哲学理論にとらわれずに、自由に、考えています。
この本は、「天国とはどんなところか」という問いを、さまざまの時代と民族に即して考えるところから始まります。
幸福論ならば、何をおいても、欲求の充足方法、という、われわれの常識の、意表をつく本です。
しかし、現世の彼方へのあこがれは、実は、人類の起源とともに古いものであり、科学技術万能時代の、われわれ現代人こそが、そのあこがれをとおして、真の幸福がつかめることを、著者は、驚くべき説得力で示してくれます。
アメリカ・インディアンのズニー族とナヴァホ族の生活と祭儀に、彼らのユニークな幸福論を探る部分は、とくに、感動的です。
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