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銀のしずく「思いのまま」 知里幸恵の遺稿より

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アイヌ民族の言葉を書き残すこと。
それは「アイヌ民族は滅びず」との宣言であった!自分の死を悟っていたかのように詳細な日記を書くとともに、一冊のノートを残した。
その全文とそこに込められた19歳の少女の想いを読む。
「〔日記は〕死の直前の四ヶ月、金田一京助宅において、東京での日本文化に触れながら、キリスト教に救いを求め、アイヌ民族古来のユーカラの筆録に懸命に挑んでいたその間の心の記録であった。
しかも文字を持たなかったアイヌ民族の一人である知里幸恵が異文化である日本文字を習得し、それを持って日々の心の内を表現した記録はおそらくアイヌ民族としては始めてのもので、大変貴重なものである。
また幸恵にはもう一冊のノートがあり、日々の記録と別に思いつくままに書き記したもので、詩や単語などが書かれていて、その中に鋭い矢となって読む者の胸を射す文言もあることを知った。
」(「あとがき」より)




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