〈普通〉という希望
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このくらいは「普通」のことだ-。
「普通」や「常識」が規範として機能し、生活の最低限のモチベーションになっていた時代はもはや遠い過去になった。
「当たり前に生きていてはダメだ」「独自であれ」「自分らしさをもつために絶えず努力しろ」などの言説の渦のなかでせきたてられるように社会制度から抜け出した途端、社会に戻ることが許されず排除される時代を私たちは生きている。
独自性の獲得や社会的成功を生きる指標にするがゆえに、困難に見舞われ、むなしさを感じ、苦悩する人々の現状を、大学生の率直なコメントや若者文化、「私」語りなどの身近な事例を導きの糸にして描き出す。
そして、「普通」「常識」をシニカルでニヒルな姿勢からではなく真正面からしっかりと見据えて、希望に満ちた明るい「普通」さの可能性を探る。
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