著者は映画評論でなじみ深いが、都市空間のなかで作家を描く作品でも知られる。<br />『荷風と東京』『林芙美子の昭和』『郊外の文学誌』などがそれだが、その向こうに原風景を求めてひとり歩くというジャンルがあり、本書はその一書。<br />