石川啄木は明治43年を「時代閉塞の現状」ととらえた。<br />明治国家体制がほぼ構築されたとき、12名が大逆をもって処刑された衝撃は大きかった。<br />本書は、乃木希典とその殉死を軸に出来事の関連と群像を重ねて、「明治の深層」を描いた労作。<br />