刑期なき殺人犯――司法精神病院の「塀の中」で
両親を射殺して出頭。
しかし「刑事責任能力」はナシ。
統合失調症により心神喪失した凶悪殺人犯はどこへゆくのか。
犯罪精神医療界の構造的な歪みと限界を暴く第一級のノンフィクション。
【精神医療、司法制度に関心のあるすべての人の必読書】--------------------------------------愛を知らない孤独な青年が、ある日、自宅で父と母を射殺した。
しかし、統合失調症のため、司法精神病院へ措置入院となる。
過剰投薬の拒否、回復の徴候、脱獄未遂、自ら弁護人となっての本人訴訟……。
――そして彼は、今なお病院から出られないでいる。
--------------------------------------犯罪者は逮捕後、世の人々の前からは消えるが、いなくなったわけではない。
人生は続くのだ。
重警備の刑務所で、あるいは司法精神病院で……。
本書は、評決が読み上げられ、判決が下されたところからはじまる物語だ。
複雑かつ混沌としてはいるが、その後のストーリーはひっそりと、たしかに存在している――。
《当代随一のノンフィクション作家にして精神分析医が描く、殺人犯の青年に降りかかった判決後の驚くべき人生とは》--------------------------------------【目次】■はじめに1……止まった時間2……汝の父母を敬え3……想定外の誕生4……水よりも濃し5……罪の重さは6……「フォーカス・オン・フィクション」7……第八病棟8……リハビリと抗精神病薬9……「拘束衣を解いて」10……過剰に宗教的11……転換点12……薬男13……疑惑14……思考犯罪15……怒りと拘束16……煉獄17……レディ・キラー18……「みな恐れている」19……本人訴訟20……正気が回復するまで■訳者あとがき
更新中です。しばらくお待ちください。