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ヴィクトリア朝の毒殺魔――殺人医師対スコットランドヤード

《切り裂きジャックを‘超えた’男を追え!》医師の仮面を被った悪辣な「紳士」はいかにして次々と女性を殺害し、逃げつづけられたのか。
歪んだ自己顕示欲に塗れた連続毒殺魔と失態が続くロンドン警視庁の攻防を描いた迫真のドキュメント。
--------------------------------------19世紀末のロンドン、切り裂きジャックの凶行(5名殺害)から間もなく、それを上回る9名の女性たちを手にかけた男が現れた……。
──‘ランベスの毒殺魔’トーマス・ニール・クリーム。
ストリキニーネによる毒殺、中絶手術での殺害、愛人と共謀した夫殺し。
女性蔑視、毒薬への信奉、強烈な承認欲求が生んだ恐るべき「墮胎医」「脅迫者」「性の偏執狂」の本性を暴く。
--------------------------------------「医師が悪の道に走ると最悪の犯罪者になる傾向がある。
なにしろ度胸もあり、知識にも事欠かないからね」──シャーロック・ホームズ(コナン・ドイル『まだらの紐』より)シルクハットをかぶり、作り笑いを浮かべた邪悪なまなざしの謎めいた人物。
クリームはヴィクトリア期の典型的な悪役像である。
切り裂きならぬ、毒盛りジャック。
ヴィクトリア期版ハイド氏。
人の姿をした邪悪と堕落の象徴。
(エピローグより)




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