コグニティブインタラクション ―次世代AIに向けた方法論とデザイン―
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人と自然にコミュニケーションするAI,ロボットを設計するための入門書.コグニティブインタラクションは,従来の認知科学や情報科学だけではなしえていない,「状況に応じて,人と自然に,かつ持続的にインタラクションが可能な人工物を設計するための基礎理論」です.本書は,その入門書です.AIやロボットが人の社会生活にとけこむためには,人と協調行動をとれなければいけません.それには,コミュニケーション,つまり,意思疎通の能力が欠かせません.しかし,言語によるコミュニケーションよりも,非言語情報によるインタラクションのほうが重要になることがよくあります.相手が人であれ,動物であれ,AIやロボットなどの人工物であれ,人は相手の意図や欲求などの心的状況を読み取り,それに適応した行動をとるという,コグニティブ(認知的)インタラクションを繰り返すことで,円滑に対話を行っていると考えられるからです.第1章では,人とAIのインタラクションについて,人どうしのインタラクションや人と動物のインタラクションをベースに考える枠組を説明しています.第2章では,インタラクションを分析していくための概念や方法を説明しています.続く第3章では,取得したデータをモデルベースで分析するために必要な,データの表現方法について説明しています.最後の第4章では,第3章までに学んだ基礎的な概念や方法を用いて,実際にどのようなインタラクションの分析が可能なのかを,これまでの事例の中から特に興味深いものに絞って説明しています.本書を読むことで,人どうし,あるいは人と動物の間のインタラクションで起きていることを理解するためだけでなく,人と自然にコミュニケーションするAI,ロボット,そのほかの人工物を設計するための基本がわかります.序章 「コグニティブインタラクション」とは第1章 インタラクションの重要性と認知モデリング 1.1 人と人工物のインタラクション 1.2 コミュニケーションとインタラクション 1.3 AIとインタラクション 1.4 インタラクションのための認知モデリング 1.5 他者モデルのモデリング第2章 インタラクション分析の基礎 2.1 仮説を立てる徴 2.2 仮説検証のための実験デザイン 2.3 分析データの扱い 2.4 インタラクションの基本的な時系列モデル 2.5 時系列データの因果関係の分析モデル 2.6 強化学習モデルによるインタラクション解析態第3章 データの定量的表現と変数 3.1 表情と視線にかかわる変数 3.2 身体運動と空間配置にかかわる変数 3.3 音声言語にかかわる変数 3.4 人以外において重要な変数 3.5 動画像処理 3.6 装着型デバイスによる身体動作計測 3.7 音韻情報と韻律情報の計測処理 3.8 生理指標の計測第4章 インタラクション分析の実際とポイント 4.1 相手が何をしようとしているのかを理解する 4.2 みんなは何をしようとしているのかを考える 4.3 人‐動物インタラクション 4.4 人‐人工物インタラクションColumn 0.1 認知的インタラクションデザイン学 1.1 インタラクションにおける相互適応学習 1.2 社会脳仮説と心の理論 1.3 ヒューリスティックとアルゴリズム 1.4 適応認知における認知バイアス 2.1 相談の成否を決める隠れ状態の推定(二者間インタラクションの時系列分析) 2.2 鹿狩りゲームと読みの深さ 3.1 音声に含まれる個人性と生成・識別モデル 3.2 複数ロボットの発話の重なりによって創発する空間の知覚 3.3 ヘッドマウントディスプレイ(HMD) 3.4 アバターの情動表現と仮想空間の文脈理解 4.1 ロボットを介した人‐人インタラクションの分析 4.2 人‐ウマインタラクションにおける人馬一体感とは 4.3 ウマの歩法変化の計測と解析方法 4.4 電動車いすを使った応答性と鋭敏性に関する実験 4.5 ユーザの信頼を誘発する商品推薦エージェントのデザイン 4.6 人とAIの間にリーダ‐フォロワ関係は成立するか
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