日本各地の医跡を巡ると、その時代の史実に息づく熱いものが見えてくる。<br />とりわけ洋学に刺激された系統的人体解剖への冀求にはじまり、圧倒的な惨禍をもたらす感染症に対峙する在野の医師たち、性差や病気へのいわれのない偏見との闘いを通して、日本の近代医療・医学の培ったもの、見失った姿をまのあたりにする。<br />