行動情報処理 自動運転システムとの共生を目指して
行動情報処理は,人間の行動に伴う様々な情報をセンサで取得し,データとして解析することで,将来の行動を予測したり,行動に内在する個性・状態・意識を理解したりする技術です。
本書では著者のこれまでの研究のうち,IT企業と共同で開発を進めた,振り込め詐欺通話を検出する技術を紹介した後,自動車の運転行動に関する研究をメインテーマとして取り上げます。
第1章では,行動情報処理とはどのような技術なのかを概説します。
第2章では,行動情報処理に必要なデータ分析方法の数理的な基礎知識を解説します。
第3章では,行動の個性(=その人らしさ)を特徴づける量の計算方法を解説します。
第4章では,行動を予測する方法を解説します。
第5章と第6章では,人間の行動から感情や状態を推定する方法を解説します。
本書で取り上げる運転行動の研究は,アクセルやブレーキペダルの踏み方からドライバーを識別する,ドライバーによる車間距離や速度の違いを予想する,車線変更の際の視線方向やペダル操作から危険運転を検出する,といった「人間の運転をコンピューターがどのように理解するか」に関する研究であり,今後自動運転が社会に普及するために,欠くことのできない研究です。
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