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思考ツールとしての数学 第2版

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「数学の授業は、わけがわからないままに勝手に進んでいく」という経験は、多くの学生に共通するようだ。
もちろん、教える側の数学の先生は、授業を受ける学生がわかるように、と思って教えているはずである。
では、なぜ、わけがわからないまま進んでしまう、と多くの学生が感じてしまうのだろうか。
それは、数学を教える側が見ている世界と、数学を学ぶ側が見ている世界がまったく違っているのにもかかわらず、教える側は自分が見えている世界が、学ぶ側にも当然見えているだろうと考えて教えているということにある。
言い換えると、数学ということばを話せる人が、数学ということばを話せない人に、数学ということばで話しているというのが、これまでの数学の授業だったといえるのではないだろうか。
このような考え方に立つと、これまでの数学の授業やテキスト、参考書などの問題点が見えてくる。
そこで本書では、数学の用語をできるだけ身近なことばに直して説明し、考え方や解き方も、数学が得意ではない人でもわかるように工夫して説明した。
本書の基本的な特徴を3つ示しておこう:(1)現実の問題を示して、その問題に隠れている数学的構造を探り当てることから始めている。
(2)問題‐解説‐数学的なまとめ、の構成にしている。
(3)数学の豊かなイメージをつくる練習問題を設定している。
第二版では、微積分の章の構成の見直し、多変数関数の章へのラグランジュの未定乗数法の追加し、現実の事例を用いた演習問題をさらに加えている。
2022年度からの高校のカリキュラム改訂への対応として、ベクトルなど基礎知識の解説を補っている。




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