自身の父親の死を機に、フィナンシャルタイムズのベテラン記者だった著者は世界各地のさまざまな「葬送」の姿を訪ね歩いた。<br />文化や社会によって死のとらえ方、悲しみ方、儀式のあり方はきわめて多種多様なかたちをもつ。<br />それらの歴史的な経緯もたどりつつ、人間にとっての「死」「死者」の意味を問う。<br />紀行文のように綴られた文章には臨場感があり、多様な死の儀式を追体験するうちに、私たち自身の「死」のあり方を考えさせてくれる。<br />