仏教小説 王舎城の悲劇:物語で読む浄土真宗
「王舎城の悲劇」は息子が父の王位を奪うという二千五百年まえの事件です。
「観無量寿経」や「華厳経」といった著名な仏教経典だけでなく、ジャイナ教の経典にもでてきますから、インドでは大変な事件だったということがうかがえますな。
なぜ父を殺してまで王位を奪おうとしたのか、母はそのときどうしたのか、そして王位を奪った息子はその後どうなるのか――。
この事件にはお釈迦さんが登場してまいります。
お釈迦さんの甥で、お釈迦さんを殺して教団をのっとろうとする悪役僧侶のダイバダッタ(提婆達多)も登場する。
人間が普遍的にかかえる欲望と苦悩がこの事件にあることから、今日的テーマでもあります。
わたしたちがいまを生き、これからを生きるうえで、かならずや人生の灯明になるのではないかとおもうしだいであります。
(本書「第一回講義」より)苦しみの果てに「救われていく道」がある――。
古代インドで起こった事件「王舎城の悲劇」についての公開講座を舞台に、老僧侶と四人の受講生がおりなす味わい深い物語。
《苦悩の本質を、お釈迦さまがときあかす》という言葉に惹かれて集まった悩み多き受講生たちは、仏典が伝える愛憎の物語をどのように受けとめたのか?軽妙な問答の中から浄土真宗の根本思想が浮かび上がる出色の仏教小説!
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