高度経済成長期に登場した経済小説は,疑獄事件や巨大企業の不正など,多種多様なテーマを描き続けてきた.城山三郎『小説日本銀行』,石川達三『金環蝕』,松本清張『空の城』など,戦後日本社会の深層を描いた古典的名作から,二〇一〇年代に刊行されたものまで,著者ならではの幅広い選書によるブックガイド.