30年前に手渡された、祖父が残した手記。<br />便箋に綴られていたのは、家族の物語と、地元五反田を襲った「もうひとつの東京大空襲」の記録だった。<br />戦時下を必死で生きた祖父の目を通して、タワーマンションの光景が町工場の記憶と重なり合う。<br />大宅壮一ノンフィクション賞作家が描く、東京の片隅から見た等身大の戦争と戦後。<br />