原発事故は終わっていない
福島原発事故から10年。
原子力の場にいた人間として、私には原発をやめさせることができなかった重い責任があります。
もちろん、原子力を進めてきた国と電力会社には猛烈に重い責任があります。
同時に、日本人一人ひとりにも責任があると私は思っています。
原子力廃絶を訴え続けて半世紀、反骨の科学者、渾身の書き下ろし。
2011年3月11日に起きた東京電力福島第一原発事故は、10年経過した今も収束できず、被災者の苦難は依然として続いている。
一方、加害者である東京電力と日本政府は、「原発事故の反省と教訓を風化させることなく、福島への責任を果たしていく」と発言しながらも、原発を推し進めている。
本書では、福島第一原子力発電所の現状、見逃してはならない原発にまつわる諸問題(世界に逆行する日本の原発輸出政策/汚染水の海洋放出問題/原子力産業の現在/原発マネーに群がる人たち/放射性廃棄物、処分場誘致の動き〈北海道寿都町・北海道神恵内村〉/原発再稼働をめぐる立地自治体の葛藤〈東日本大震災で被災した東北電力女川原発の再稼働・40年超の関西電力高浜原発、再稼働手続き開始〉)など、著者だからこそ知り得た稀有な情報を取り上げ、解説する。
原発事故の風化に警鐘を鳴らし、原発の危険性を説き、原発ゼロ社会実現への思念を綴った究極の反原発論。
※この作品は毎日新聞出版で過去に配信された内容と同一になります。
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