二月一四日バレンタインデー。誓護は妹の祈祝と一緒に、自宅でチョコレート作りを楽しんでいた。そのとき、ぴんぽーんと、チャイムが鳴り。「はいは?い……ってアコニット!?」アコニットは、冥府で人界の菓子<トリュフ>にすっかり心酔。<トリュフ>食べたさに、冥府には黙って人界へきてしまったのだ! 彼女は、近所にある菓子工場のバレンタイン・イベントへ連れて行くよう誓護にせがむ。そのわがままに付き合い、いのりとともに出かけた誓護。しかしそこで、アコニットは何者かに襲われる!! 空間が揺らぎ、フラグメントが発動する。絶対的な恐怖を呼び起こされ、狼狽するアコニットから漏出した稲妻が、菓子工場を破壊するが――。アコニットの過去の一端、そして冥府を覆う不穏な策動が見え始める、スリリングな猛毒のネオ幻想奇譚第3弾!!