今は一人ぼっちでも、またみんなの前で歌うんだ──。100万部突破のベストセラー『陰日向に咲く』を超える、さらなる大傑作!12年ぶりに書き下ろす、圧倒的祝祭に満ちた物語。行き場をなくした女たちが集う浅草の置屋「燕屋」の前に、一人の赤ん坊が捨てられていた。かつて自らの子を亡くした遊女の千代は、周囲の反対を押し切って育てることを決める。お雪と名付けられた少女は、燕屋の人々に囲まれながら、明治から大正へ、浅草の賑わいとともに成長する。楽しみは芝居小屋に通うこと。歌って、踊って、浅草オペラの真似をして、毎日はあんなに賑やかで幸せだったのに。あの男がすっかり台無しにした──。【劇団ひとりさんコメント】数年前に『浅草オペラ』という言葉を目にしました。なんとまぁ心躍る響きなんでしょう。どんな人々がどんな風に、そうやって想像を巡らせているうちに物語になってました。不器用な登場人物たちですが、どうぞ温かく見守ってやってください。