どれだけ強くなっても、俺は悩むんだな。「異能力制限法」により異能力者はすべて社会から管理され、戦う機会が奪われた現代。 俺――冬川朱雀はとまどっていた。「人間になると決めたら、教えてね。そのための異能力者を紹介するから」小手毬の前で両手を広げて、天児奈はいつもの軽い調子で言った。 しかし、話はそうメリットばかりではなかったのだ。小手毬が不老不死である煌霊から人間に戻れば、人として生きられる。だけど、『天上』になったことで現状俺は不老不死だ。 俺たちの人生は共に歩めなくなってしまう。すれ違ってしまう。 そうなると俺は『天上』を辞めるだろう。しかし、天児奈によって大きな問題に気づかされた。「『天上』というのは世界が大きく悪い方向に行かないように管理する組織なの。じゃあ、最も管理しないといけないのは『天上』そのものでしょ。『天上』レベルの異能力者を放置していれば、世界は重篤な危機に陥りかねないよね?」 つまり『天上』から抜けた異能力者が無事に生きていけるって保証はどこにもなかったのだ――! 真の最強になることが唯一残された道!? 苦悩し続ける異能力リアルアクション最終巻!※この作品は底本と同じクオリティのカラーイラスト、モノクロの挿絵イラストが収録されています。