青年武士の全身は火と燃え、苦しいほどの快楽が弾けていく! 嫁ぎ先である秋月家を逃げ出してきたかつての許嫁・志穂を追っ手に奪われた旗本の次男坊・結城拓馬は、志穂を助けるために佐倉から江戸へ向かった。途中、暴漢に襲われた村娘・みつを救った拓馬は、彼女の家に身を寄せ、夜毎濃厚な交歓のときを過ごす。ある日、江戸へ出た拓馬は、秋月家の女中・なつと知り合い、志穂の様子を聞きだす。その夜、誘われるままになつの家に泊まった拓馬は、志穂への想いをなつへとぶつけていった…。●北山悦史(きたやま・えつし)1945年、北海道生まれ。山形大学文理学部中退。学習塾運営のかたわら小説を書き、1977年、官能作家デビュー。「官能小説大賞」「日本文芸家クラブ大賞」「報知新聞社賞」を受賞。独特のソフトな文体と描写で人気を博す。気功家としての顔も持ち、各地で気功教室を開いている。『占い師天峰 悦び癒し』(二見文庫)、『絵草子屋勘次随喜竿』(悦の森文庫)、『金四郎桃色秘帖 桜吹雪の女』(学研M文庫)など著書多数。