歌人であり、古典に関するエッセイや評論に多くの著作のある尾崎左永子氏が、8年かけて訳してきた源氏物語全54帖の現代語訳。膨大な長さのこの作品を、できるだけ内容に忠実に、言葉の光沢や調べを殺さずに訳してあるが、冗長なところは多少省略してある。しかし抄訳ではなく、書き込んだ部分と軽く通過した部分との波を作っている。源氏物語全体の約半分の分量で訳しているので、長編小説を読む負担もなく短期間で楽に完読できる。全4冊だから、1冊を2日で読むと、8日間で読了。与謝野源氏、谷崎源氏や現在刊行中の瀬戸内寂聴氏の現代語訳では、こうはいかない。はじめて源氏を読む人や忙しくて長期にわたって読む時間のとれないOLやビジネスマンには格好の書と言えよう。平易で格調ある文体で、単に男女の恋愛ストーリーだけでなく、源氏物語を支える背景や王朝文化の質と厚みを表現する工夫もされている。すらっと読めてしかも本質を失わない「読みやすい源氏物語」をめざしている。※この商品は紙の書籍のページを画像にした電子書籍です。文字サイズだけを拡大・縮小することはできませんので、予めご了承ください。 試し読みファイルにより、ご購入前にお手持ちの端末での表示をご確認ください。