コンビニ前に集っている若者、公園で遊んでいる小学生、路上で生活する人々は「マヨヒガ」それを都市伝説、怪談、昔話、真実として認知していた。不思議と社会的なコミュニティの中でその名は一切語られず、知られていなかった。情報をまとめると、マヨヒガとは六、七歳の男の子、あるいは、そういう場所の名前。落としたり、失くしたりした物は相応のものと交換することで取り戻すことができる。マヨイガへの鍵は、袋小路である。神出鬼没の奇妙な少年・マヨヒガ。彼に会えば、失くしてしまった何かを取り戻すことができまる。たとえそれが亡き人だとしても。神か悪魔か――少年をめぐる、懐かしくも怪しい物語がはじまる。