2017年次世代官能小説大賞「読者賞」受賞作。「僕の美味しいひと」エレナは地味で冴えない行き遅れの令嬢。新聞で連載される冒険小説を書く小説家でもある。義母・義妹と距離を置くことができ、執筆に集中できることから、自ら好んで昼夜逆転生活をしている。若く美しい義妹の引き立て役のために同行させられた夜会でエレナはとんでもない騒ぎに巻き込まれてしまう。スティーブン・エルフォード伯爵がエレナと義妹フェリシアの宿泊部屋を間違えて、エレナの部屋に夜這いをしてしまい……。世間体のためにエレナはスティーブンとの結婚を了承してしまうが、スティーブンは世間体のためではなかったようで――?「君の血を毎日飲みたい。どうかその栄誉を僕に与えてはくれないだろうか?」昼夜逆転生活を送る不健康な小説家と、彼女の血の味をたいへん気に入ってしまったヴァンパイアのお話。電子書籍版書下ろしepisode「翡翠の森の、小さな泉」収録。