【ノンフィクション・ドキュメンタリー】タグのライトノベル・小説
防衛省のオフィシャル雑誌『月刊MAMOR』(扶桑社・刊、毎月21日全国発売)で連載中の「女性自衛官たち」(6月号までの回)の書籍化。『兵士に聞け』(小学館文庫)からスタートした杉山隆男による自衛隊ルポ、「兵士シリーズ」の最新刊となる1冊。全自衛官のうち、約8%しかいない女性自衛官(2021年) 。’なぜ男社会の象徴のようにいわれてきた自衛隊に入ったのか’’そこで何を目指しているのか’’任務を果たす中で、どんな家庭を作り、どう子育てをしているのか’。9人の幹部女性自衛官に取材を重ねたルポルタージュ。
昭和24年7月6日午前0時20分、国鉄レール上で起こった事件、下山国鉄総裁の死をめぐる謎は深い。占領軍が駐留する混乱した状況下での解明は、「自殺」か「他殺」かをめぐって難航をきわめた。しかし、30年に及ぶ執念の追跡が、昭和史の暗闇に眠る恐るべき真相を解き明かした。事件の全貌を決定的証言で綴る。
※この商品はタブレットなど大きいディスプレイを備えた端末で読むことに適しています。また、文字だけを拡大することや、文字列のハイライト、検索、辞書の参照、引用などの機能が使用できません。「僕はその日をどんな想いで迎えるのだろう」ペットの終活に向き合いはじめたエレキコミックやついいちろう。愛犬との日々を綴った温かくてちょっと切ないエッセイこの本は39歳まで生き物をカブトムシくらいしか飼ったことがなかったのに、いきなり哺乳類の犬を飼い始めた人間のお話です。こぶしという名前のパグです。2011年12月27日、こぶしが僕のところにやってきてから生活は一変しました。今やこぶしと暮らして10年になりました。あんなに小さい仔犬だったこぶしも、体重10キロのおじいちゃんに。気付いたら僕の年齢も追い越されていました。「あーこぶしがおじいちゃんになっちゃった」こういう本ってだいたい愛犬を亡くしたシーンが最後になると思うんですけど、こぶしは今もとても元気です。でもお互いしっかり歳を取りました。その中でゆっくりではあるけど、淡々とした着実な変化があります。そんな僕とこぶしの日々の記録です。目次プロローグ第1章<春>出会い/命を迎える/犬はお金がかかる/しつけ/ライフスタイルの変化/毎日の問題/かわいいの天才/前世/危機一髪/100%/この世に寝に来ている…など第2章<秋>秋風/ヘルニア/老散歩/異変/不調の原因/思い出のアルバム/一番幸せなこと/お風呂が好き/歯の健康/保険について思うこと/もし動けなくなったら/医師との出会い、これも縁/留守番…など第3章<次の季節>先輩の犬/自分より先に死ぬという現実/世界一好きな温度/今日は何もしてないと言わなくなった/春を想う…など
わたしからはじまる魂の再生の物語。読みながらいっしょに沈んでいく。壊れそうになる。最後に、極微の勁(つよ)い光に射ぬかれる。――鷲田清一さん(哲学者)繊細な、こわれものとしての「悲しみ」を、粗略に扱わない社会のために、静かに読まれるべき一冊――平野啓一郎さん(小説家)上智大学グリーフケア研究所非常勤講師として、悲しみにある人々に寄り添う活動を続けている著者の入江杏さんは、2000年に起きた「世田谷事件」の被害者遺族です。隣に住む、愛する妹家族を失った悲しみは、6年もの間、語られることはありませんでした。語りにひらかれたきっかけについて、まえがきにこうあります。心ない報道、周囲からの偏見と差別、沈黙を強いる母への抵抗……わたしは語りへと突き動かされ、無我夢中で心の断片を拾い集めました。そのかけらから恥を洗い流してみると、そこには透き通った悲しみが顕れました。――まえがきより’被害者遺族はこうあるべき’といった世の中の「大きな物語」に抗い、「わたしの物語」を取り戻し、魂の再生へと向かう軌跡の書です。
パラリンピック銀メダリストの挑戦の26年。「障がい者になってよかった」とは思わないけれど、生まれ変わっても、僕は間違いなく今の人生を選ぶ。東京2020パラリンピックで史上初の銀メダルを獲得した車いすバスケットボール男子日本代表選手・古澤拓也は、世界トップクラスのボールハンドリングと3ポイントシュートを武器とする。2017年男子U23世界選手権では、キャプテンとしてチームをけん引し、オールスター5に選出された。「ずっと歩けるままでいたかった」と語った彼が自分を認められるようになるまでの26年間の人生、そして、銀メダリストになるまでの挑戦を読むと、今苦戦している方、将来の可能性が見えなくなっている方も光の道筋が見えてくるはず!古澤拓也は確信している。「置かれた状況によって人生が決まるわけではない」と。■第1章 車いす、かっこいいな!■第2章 この子は、宝石を抱えて生まれてきた■第3章 一番モテるのは、足が速い子?■第4章 地獄のような1年間■第5章 君なら世界に羽ばたける!■第6章 時計の針が、再び動き始めた■第7章 オマエ、悔しくないのか?■第8章 大学を辞める? 競技をやめる?■第9章 東京パラリンピックへの道■最終章 最高にかっこいい人生
’破倫無道の挙’か、冤罪か―結審の時来る。――(幸徳秋水が担当弁護士にあてた陳弁書には)無政府主義にたいする誤解への弁駁と、検事の取り調べの不法とが述べてある。この陳弁書にあらわれたところによれば、幸徳は決してこのような無謀を、あえてする男ではない。それは法廷での事実と符合している。―― 社会主義者、無政府主義者たちが明治天皇の暗殺を企てたとされる、いわゆる幸徳事件。当初は「破倫無道の挙」「常識を失した凶暴な沙汰」と断じていた石川啄木は、事件記録に記された検察による事実の歪曲に愕然とする。 一方、ことを早く片づけたい検察は、逮捕後異例のスピードで予審を終え、嫌疑のかかる26人全員に極刑を求刑してしまうのだった――。 事件関係者について綿密に調べ上げ、その真の姿に肉薄した渾身のノンフィクションの完結編。
ウクライナの国民的作家による「マイダン革命」勃発後半年間の記録と考察。2022年のロシアによるウクライナ侵攻の根源を伝える。世界的なベストセラー小説『ペンギンの憂鬱』の著者であるウクライナの作家アンドレイ・クルコフが、2013年に起きた市民デモ「マイダン(独立広場)革命」の激動の日々――自由を求める市民側と警察や特殊部隊の武力衝突、大統領の国外逃亡、クリミア半島のロシア編入、続く内乱――を一市民の視点から書き留めたドキュメント。池上彰氏のウクライナ解説付。浅田次郎氏推薦。
魔都東京、異形の街で見た女、死、怪ーー。SDGsと再開発の裏で起きる怪異と殺人事件。闇に集う娼婦と異常性欲者たち。ここは暗黒街か、黄泉の国かーー。気鋭の作家ふたりが紡ぐ妖しくも猥褻なノンフィクション。第一章 池袋の怪心霊スポット/人斬り一族/江戸川乱歩の棲家第二章 史上最高齢のSM女王様異常が日常/聖水ショー/未来都市の住人/女の足の匂いを嗅ぐ第三章 池袋の女醜い女/首都圏連続婚活殺人事件/愛さないから愛される第四章 変態ママと殺人事件特殊性癖を語る場所/露出が好きな主婦だった/桶川ストーカー殺人事件/高齢化する変態たち第五章 池袋の死悲劇を巻き込む/四面塔の怪異/上級国民の暴走/無差別殺人/ひとりでは死ねないから第六章 街娼は駅前に立つ消えた立ちんぼ/SDGsの犠牲者/お掃除とフェラチオ/義父に襲われる/住民票もない第七章 池袋の宿ラブホテル/出会いカフェ殺人事件/売春の罪/若くない女の欲望/死にたいなら殺してあげる第八章 埼玉県の植民地東京の入り口/女子大生風俗嬢/東武東上線で乙女ロードへ/最低な生活/子ども部屋おじさん/ちゃんとした恋したい第九章 池袋の疫恐山/コロナとストリップ/売る女、買う男第十章 東口と西口のあいだ地下道/もう元の自分には戻れない/処女のピンサロ嬢
安全地帯から松任谷由実まで、心を捉えて離さない「新しい音楽」づくりに賭けた32人の青春ドラマを再現する。逆境あり、挫折あり――ステージの背後に秘めた、それぞれの人生と音楽の軌跡を、ていねいなインタヴューからすくい出す。きらりと光る感動体験は、だれをも魅了するもう一つのライブである。完全ディスコグラフィー付き決定版。
1944年4月4日、アウシュヴィッツ・ビルケナウ絶滅収容所に到着したイタリア系ユダヤ人の6歳の姉タチアナと4歳の妹アンドラは、最初の選別をくぐり抜け、子ども用バラック「キンダーブロック」に収容される。その後、ナチスによる人体実験のモルモットになる運命から奇跡的に生き延び、1945年1月27日に解放を迎える。だが、姉妹のアウシュヴィッツはまだ終わらない。アウシュヴィッツを生き延びた6歳と4歳の小さな姉妹が見たアウシュヴィッツと戦争が家族にもたらす悲劇の物語。
ノンフィクションの大家が大逆事件に挑む。明治天皇に危害を加えるべく爆裂弾を製造した宮下太吉、宮下に賛同して事件を主導した新村忠雄、幸徳秋水と同棲していた過激な闘士・管野スガ――。無政府主義、社会主義を標榜する彼らは、次々と「無政府主義者の撲滅」をめざす政府当局の手中に落ちてゆく――。「天皇、太皇太后、皇太后、皇后、皇太子又ハ皇太孫ニ対シ危害ヲ加ヘ又ハ加ヘントシタル者ハ死刑ニ処ス」――1947年まで存在した刑法第73条、いわゆる大逆罪。皇室に対して危害を加えようと企図した者は死刑、しかも控訴や上告をすることができないという、大変厳しい内容だ。この罪が初めて適用された通称「幸徳事件」について、著者が豊富な資料をもとに鋭く切り込む。
ミシシッピーの川面に流れるギターの調べは、人の心を重く揺さぶる。うらぶれたカフェの片隅から、深く哀しい歌がひろがる。ディープ・サウスの街には、すべてブルースの魂が満ちている。奴隷制の時代から現代へいたる黒人ブルースマンの歌を求めて、現地取材と資料で綴る感動のレポート。名曲ガイド付き。
「強くなりたい――」弱さをかかえながら、ぶつかり合い手をさしのべ合って、生きる女たち。「ガールクラッシュ」な女子プロレスエッセイのゴングが鳴った!西加奈子氏推薦。「この荒野で戦い続けることを決めた彼女たちに、ありったけの拍手と祝福を送りたい」「私なんて結婚してないしお金も稼げない、みじめな女」廃業しかけたライターがまた書けるようになったのは、女子プロレスのお陰だった。等身大で戦う彼女達が私達に与える勇気とは? 強くなりたい女のためのプロレスエッセイ。【インタビューした女子プロレスラーたち ※登場順】白川未奈、中野たむ、岩谷麻優、林下詩美、ジュリア、朱里、長与千種、彩羽匠、DASH・チサコ、橋本千紘【目次】はじめに「本を1冊出せたら、死んだっていい」■第一章 「女の幸せ」とプロレスと・「女の花は短い」と言われるのがすごくイヤ――白川未奈(スターダム)・これ、たぶん女の子だったらわかってくれるんだろうな――中野たむ(スターダム)・自分が一番、最強ですね――岩谷麻優(スターダム)■第二章 どんなときだって ずっと二人で・結果を残しても、「ビッグダディ三女」。本当のわたしを見てもらえない――林下詩美(スターダム)・でも、「わたし、負けない人間じゃん」って強く思った――ジュリア(スターダム)・だれよりも実力があるのは、わたし。認められない悔しさ――朱里(スターダム)■第三章 ロード・トゥー・かつて女を魅了した女・引き込みます。世界に引き込みます。――長与千種(マーベラス)・あの時代に近づきたいという気持ちが強い――彩羽匠(マーベラス)■第四章 仙台の強い女たち・いま全力でいかないと、いつどうなるかわからない――DASH・チサコ(センダイガールズプロレスリング)・一番大切なのは、素直になること――橋本千紘(センダイガールズプロレスリング)
※この電子書籍は固定レイアウト型で配信されております。固定レイアウト型は文字だけを拡大することや、文字列のハイライト、検索、辞書の参照、引用などの機能が使用できません。ある夏、台風前日の夜中に訪れた、小さな手のひらサイズの子猫たち。それが、チビタ、チョロ、マーくん、ミンミンとの運命の出会い。わが家には先住者のモモも含めて全5匹の猫が住みつくようになった。なかでも、名前どおりに一番小さいチビタは、ご飯を食べるのも遅いし、ほかの猫からちょっかいを出されるし、もっと「がんばれ!」と応援したくなる。小さくてよろよろしながらも一生懸命に生きているチビタ。なのに、過酷な試練が襲いかかる。安楽死かそれとも両手を切断するのか……。切断となれば、自分で排せつや食事、体を動かすことができなくなる。かかりつけの獣医師は「猫の義肢は例がない」と安楽死を勧める。それに、義肢が外れれば肉球のない足先に負担がかかり、骨が皮を突き破ってしまうという。飼い主のわたしは悩みに悩み抜く。そして決心する。「一生介護でもいい。チビタは絶対死なせない」小さな体に宿る大きな生命力が生み出した奇跡の物語。
生い立ちに数奇な運命をもちながら、文壇に老大家としての地位を築いた作家平山平四郎の生涯と、野性をひそめたその娘杏っ子の生々流転の姿を鮮やかに描く。さまざまな浮き沈みを経た犀星の筆は、父と娘の微妙な情愛と絆を捉え、不幸な結婚にあえぐ杏っ子のなかに女の愛と執念を追究する。人生の底のよどみを苛酷なまでに抉り出し、生涯の情熱を傾けて描ききった自伝的長編小説。(※本書は10962/6/10に発売し、2022/4/26に電子化をいたしました)
浅草に生まれた万太郎(1889‐1963)が,青年期までをすごしたその土地に寄せる,エレジイともいうべき2篇である.代用学校が市立の学校へ「座」を譲ろうという時代の激しい変動が,さまざまの人の上に,どう乱反射したかを活写した「大寺学校」.「ゆく年」とともに明治末の東京の一隅の特異な風土を巧みな話術で描いた作品である.(※本書は1989/1/1に発売し、2022/4/26に電子化をいたしました)
【期間限定 試し読み増量版】読売新聞の検察担当記者が逮捕された。スクープを連発していた立松和博が汚職事件を追っているなかで、記事が誤報だとされ捕まったのだ。しかし、これにはウラがあった。検察内部で熾烈な権力闘争が繰り広げられており、検察は情報源をあぶり出そうと、立松に罠を仕掛けたのである。逮捕された立松は情報源を決して明かすことはなかった。しかし読売新聞社は検察に妥協してしまう。新聞記者とはどうあるべきかを問う著者の代表作。 【解説:後藤正治】
門田博光、江夏豊 田尾安志 谷沢健一 広岡達朗 etc.嫌われ、衝突し、裏切られ……それでも己を貫いたレジェンドが明かす’プロ野球界の裏側’華々しく見えるプロ野球界においても、好成績を残したからといって必ずしもフロントやコーチ、監督になれるわけではない。サラリーマン社会と同様、擦り寄り、迎合することが球団に残る一番の近道と言われ続けている。だが、かつては理不尽な物事に対して己を貫き、正々堂々と立ち向かう選手たちがいた。己の正義を貫くことで、疎んじられもした。監督と衝突し、チームを追われたこともあった。メディアとの対立で虚像を語られることもあった……。けれど、自分を貫いた男の元に、最後には必ず人が集まってくる。そんな、矜持を持ち続けてサムライのような生き方をしたプロ野球選手たちを徹底取材。生きづらい世の中だからこそ胸に刻むべき「漢の生き様」を深掘りする。【収録内容】1章 門田博光奇才と孤独〜稀代の豪打者が抱える’19番’への恩讐〜2章 田尾安志衝突とプライド〜天才打者が選んだ「新設球団 初代監督」の道〜3章 広岡達朗反骨と改革〜プロ野球界に68年身を置く男の矜持〜4章 谷沢健一派閥と人徳〜’ヤザワ’と中日ドラゴンズ〜5章 江夏豊義理と器量〜裏切られ続けた史上最高左腕〜
娘の自閉症がわかった日、僕の運命は一変した。数字を偏愛し、奇妙な質問と造語をくりかえすエリ。他人の感情を理解できず、小学校には適応できない。でも僕と妻は、決してあきらめなかった。自作の教科書で入学直前までくりかえした、学校生活のシミュレーション。通学する娘に毎朝つきそい、自宅では毎日、深夜まで訓練用の教材を手作りする。「この子はきっと、成長してくれる」―その思いだけが、僕たち家族の支えだった。自閉症と言われた我が子が家族の力で驚異的な成長をとげるまでの9年間の記録。【著者からのメッセージ】この2年半、新著を出すことが出来ませんでした。ひたすら、『数字と踊るエリ』の原稿を書いては直し、また改稿するということを繰り返していました。書き始めたときには、「日本で初めての家庭療育成功記を書いてやる」という思い込みや意気込みがありました。しかし、書いてゆくうちに「これを実名で発表していいのだろうか?」と恐ろしくなりました。苦しんだあげく、こういう形になりました。「はじめに」にも書きましたが、特定のアプローチの効用を宣伝しようという意図は僕には全くありません。ましてや、僕たちの選んだ道を正しい選択肢として提示しようなどとはさらさら思っていません。 僕はただ、この本を、一つのケースとして、提示したいと思いました。だから、記録をたどりながら、事実をありのままに書くということに徹しました。 これは、ある家族の苦闘の歴史です。自閉症に特別な関心をお持ちでない方にも是非手にしていただきたいと思いました。読みやすい構成にするために僕に可能な努力は尽くしたつもりです。 本書が、この本を手にとって下さる方に、ご自分のご家族のあり方にまで思いを寄せるささやかなきっかけとしてお役に立てることを祈っています。
「英霊二万ノ加護ニヨリ無事撤収ス」――1943年2月7日、救出された陸海の将兵を乗せ、最後のガダルカナル撤退作戦を奇蹟的に成功させた駆逐艦白雪、そのラバウルに宛てた電報である。最終的に一万六〇〇人余りが命を長らえたものの、ガダルカナル争奪戦での日本軍の損害は、戦死者八千人、戦病死者一万一千人に及ぶ。その多くがマラリアや栄養失調による餓死である。何故このような悲惨な戦いとなったのか? 日本の陸海軍エリートたちは米軍を侮り、誤断を繰り返し、太平洋遥か六千キロを越えた余りにも遠い島嶼での戦闘に対して、現実をほとんど無視した命令を出し続けたのである。鎧袖一触で勝てるとの楽観を打ち砕かれ、死闘空しく日本軍がガダルカナルからの撤退を決めた時、太平洋戦争の戦局は米国側へと大きく転回していく……。当代一流の戦史家が、日米の死闘を克明に描いた戦記ドキュメント。「戦いの神・マルス」は、ついに日本を見放した!
太平洋戦争を通じて日本海軍が完勝した最後の海戦「ルンガ沖夜戦」の実態とは? 開戦からの半年間、快進撃を続けてきた日本海軍は珊瑚海海戦、ミッドウェイ海戦で大敗を喫し、その主力を失った。一方、米軍は海兵隊を中心に大規模な反攻作戦を強行。日本軍は敗退を繰り返し、ソロモン諸島のガダルカナル島が日本軍の再反攻拠点として残されるのみとなる。そのガ島も、航空基地を作るために送り込まれた日本軍の設営隊が、駆逐艦から輸送される物資によってなんとか生き延びているという有様であった。昭和17年11月30日夜、ガ島近海のルンガ沖で日本の水雷艦隊と米重巡洋艦隊が遭遇する。艦の大きさ、装備、数のどれをとってもはるかに劣る日本軍の駆逐艦が、巡洋艦5隻と駆逐艦6隻の米大艦隊に魚雷戦を挑んだ。この間わずか16分であった……。本書は、圧倒的な劣勢のなかで奇蹟的かつ鮮やかな勝利を収めた’駆逐艦乗りに捧げる鎮魂歌’である。
なぜ私の俳句は選ばれないの?なぜすらすら作れないの?そんな悩みを解決する1冊ができました!「プレバト!!」で大人気の夏井いつきさんと、各俳句賞の選考委員等をつとめられている岸本尚毅さんとの掛け合い問答ですらすら読める俳句入門書ができました。岸本さんの膨大な俳句の知識と明晰な解説に、夏井さんのするどい突っ込みが加わって超実践的な入門書が実現。実作のコツが、穴埋め式ドリルとその解説問答でよくわかります。ちょっと辛口なコラムも必見です!担当編集が本書のなかで特に好きなのが、中七の切れの型、コラムの「捨て石効果」、キシモト先生が肝に銘じている3つのこと、です。「型」を学べば、どんどん作れる、どんどん書ける! キシモト博士といつき先生と、みんなで一緒に楽しみましょう。
最愛の母を自宅で看取った、泣き笑い回想録。 直木賞作家・桜木紫乃さんが大絶賛!<一緒にお母様を看取らせてもらったような錯覚は、わたしがこれから行く道を照らしてくれるだろう。本書は、親をなくすという大切な儀式のテキストだ。>(文庫解説より) 元「食堂のおばちゃん」山口恵以子さんが松本清張賞を受賞して実質的な作家デビューを果たしたのは55歳の時。お見合いは43連敗、ずっと実家住まいの山口さんをいつも傍らで見守り、励ましたのが母・絢子さんでした。 そんな最愛の母が認知症になってから、自宅での介護、看取り、そして葬儀のことまでを温かな筆致で克明に綴った『いつでも母と』は、単行本発売時に大反響を呼びました。 文庫化にあたり、絢子さんの主治医でしろひげ在宅診療所院長の山中光茂先生との対談や山口さんの書き下ろしエッセイ、桜木紫乃さんの解説を新たに加えています。 山口さんは「はじめに」でこう綴っています。<介護を体験した方や、現在介護中の方、大切な人との別れを経験した方にとって、この作品が少しでもお役に立てれば、あるいは何の役にも立たなかったけど「あまりのアホさ加減に思わず笑ってしまった」なら、大変幸せに思います。>※この作品は単行本版として配信されていた『いつでも母と』の文庫本版です。
みなさんは「病院船」を知っていますか? 大きな事故や災害が起きたとき、海からかけつけて、大きな船が丸ごと病院になってしまうというものです。日本は、まだ病院船を持っていません。しかし、東日本大震災が起きたとき、病院をはじめ多くの建物がめちゃくちゃに壊れてしまった現実を目の当たりにして、けがをした人々の治療をするためにも、こうした船を持つ必要があるのではないかという議論が起こりました。それから9年の月日が経った2020年から、新型コロナウイルスが日本全国をおそいました。爆発的に感染者が増え、現在ある病院だけで患者に対応できるのか不安になっていくなか、ふたたび「病院船は必要なんだ」という声があがりました。これは、「ナッチャンワールド」という高速フェリーの波瀾万丈の’船生(せんせい)’の物語です。ナッチャンの夢、それは「病院船になりたい」という夢です。オーストラリアで生まれたナッチャンは、お客さんを乗せて津軽海峡を行ったり来たりする観光フェリーでしたが、燃料の価格が高くなったためにフェリーとして使われなくなり、自衛隊に貸し出されて戦車や装甲車を訓練場に運ぶ仕事につきました。「平和の船」は、またたく間に「戦争の船」に様変わりしたのです。望まないのに「戦争の船」となったナッチャンは、病院船になれるのでしょうか?長年にわたって防衛省の取材をしてきたジャーナリストが、実在するナッチャンワールドという船を主人公にして、戦争と平和のはざまにある今の時代を伝える、一風変わったノンフィクションです。
超流行作家、評論家、翻訳家として戦後文学の多面性を体現した伊藤整の18年にわたる日記。極めて貴重な文学的資料、第8巻。
加害者告発に加え、否認した母と傍観者だった自分も性虐待に加担していたという自責から書かれた本は他に類を見ない。まさに震撼の書である。――信田さよ子■本書の内容30年前、わたしの双子の弟を性虐待したのは、誰もが敬うエリート学者の「継父」だった。そして、現実から目を背け、わたしたち姉弟を糾弾したのは、誰よりも自由と解放を重んじたはずのフェミニストの闘士、母だった――。1980〜90年代、自由礼賛の名の下に、左派インテリの両親はわが子の人生を支配した。「継父」による加害が発覚したあとも、周囲の大人たちは(ひとりを除き)目をつぶり、告発しないことを選んだ。その共謀の過程で、子どもたちは名ばかりの同意と沈黙を強いられてきたのである。著者は、傍観者としての、小さな加担者としての罪悪感を見つめ直し、苦悩の記憶を掘り起こしながら、文学的努力を払い、その経験を言語化する。実父は「国境なき医師団」創設者のひとり、叔母はトリュフォー監督も認めた有名女優、母も継父も著名な言論人ということもあり、2021年1月の原書出版時にはフランス中に激震が走った。本が出版された1週間後には、「#MeTooInceste」というハッシュタグで8万件ものツイートが流れ、マクロン大統領が「子どもに対する性犯罪」の対応に関して声明を発するまでに至ったという。本書は、被害がなかったことにされる構造と、沈黙にともなう罪悪感をありありと表現した一冊だ。フランスで32万部突破、海外版権15か国の話題作、ついに邦訳。
山奥の超野生児世界を制した天才マジシャン。「激レアさんを連れてきた。」「情熱大陸」で話題沸騰!すべて独学、小道具も手作りで世界一になった高校生マジシャンHARAの挫折と成功を描いた物語。最寄りのコンビニまで車で1時間かかる十津川村に生まれた大樹は、訪れた東京でマジックに魅了され、独学・自作の小道具でマジックを習得する。その後、世界大会でグランプリになるまでを描いた、感動の青春小説。
文壇登場までの奮闘、宇野千代との出逢い、代表作『人生劇場』に纏わるエピソードなどが満載。(※本書は2015/10/23に発売し、2022/3/10に電子化をいたしました)
※この商品はタブレットなど大きいディスプレイを備えた端末で読むことに適しています。また、文字だけを拡大することや、文字列のハイライト、検索、辞書の参照、引用などの機能が使用できません。「テディベア」で有名なドイツのぬいぐるみ会社シュタイフ。その創業者、マルガレーテ・シュタイフが、脊髄性(せきずいせい)小児まひの病気と闘いながら、女性として、経営者として、世界中で愛される「テディベア」を生みだすまでを描いた、知られざる感動ノンフィクション。
まさにガーン! 母の認知症につき合って二十余年、ようやく施設へ入所し、一息つけると思いきや、今度は自分が乳がんに!? 介護と執筆の合間に、治療法のリサーチと病院選び……落ちこんでる暇なんてない! 作家・篠田節子が乳がん発覚から術後までの怒濤の日々――検査、手術、還暦過ぎての乳房再建、同時進行で老健にいる母の介護――を、持ち前の取材魂をもとにユーモア溢れる筆致で綴る闘病&介護エッセイ。乳房再建手術を担当した聖路加国際病院・ブレストセンター形成外科医との対談「乳房再建のほんとのトコロ」も収録!