道端や公園で出会ったり、ペットとして飼われていたり、私たちは色んな場面で猫と出会います。気を惹こうと鳴き声を真似しても無視され、近づけば逃げられ、気まぐれな猫たちに振り回された経験がある人も多いでしょう。それでもやはり、猫は私たちを癒してくれる不思議な存在です。本書は気まぐれな猫たちが織り成す12編の物語を収録しています。ライト文芸の世界で活躍する気鋭の作家12人が紡ぐ優しさ溢れるアンソロジー、ぜひ本書で気持ちの良い涙を流していただければ幸いです。【一部あらすじ】『猫が飼いたい』/天ヶ森雀三十五年連れ添った夫にある日、「猫が飼いたいから離婚して下さい」と妻は告げるが……『星取り網と夜の猫』/沖田「よし、星を取りに行こう」。突飛な提案に戸惑いながらも、夏樹は千冬を浜に連れていく。『コーリング・ユー』/浜野稚子妹が猫アレルギーになり、猫を手放すことに。納得できない文乃は家族に?みつくが……『あの夏の日の猫』/一色美雨季小学生のころ孤立していたタツオ。久しぶりに会った彼は俺に、当時の想いを打ち明ける。『風に消えない幸福のかけら』/澤ノ倉クナリ病気の治療のためアメリカに引っ越すトモノは、猫の新たな飼い主探しをキョウカに頼み……ほか7作品収録『お猫さま審判』烏丸紫明/『猫背くんと迷い込んだ猫』日野裕太郎/『おばあちゃんと猫だより』編乃肌/『猫と父と月の夜』神野オキナ/『天邪鬼の勇気』国沢裕/『化け猫リン』浅海ユウ/『猫と姉さんと私』那識あきら