無残な別れを経てもなお、愛の記憶が絡みつく――「いったい何の権利があって、僕から息子をとり上げたんだ?」偶然再会し、強引に家まで送ってくれた大富豪レアンドロは彼にそっくりなアビゲイルの赤ん坊を前にして激怒した。1年半前、彼の経営するホテルで出会ったとたん激しい恋に落ち、その強烈な魅力に抗うすべもなくアビゲイルは純潔を捧げた。だが夢のような日々も束の間、彼の妹に悪質な嫌がらせをされ、アビゲイルは泥棒呼ばわりされて彼に捨てられたのだった。レアンドロは金褐色の瞳に怒りをたぎらせ、冷徹に告げた。「結婚するんだ。君が好もうと好むまいと、ほかに道はない」■社会の底辺に生まれた私が大富豪の妻になれるはずはない、と愛なき求婚を断るアビゲイル。どちらも譲らず、試用期間として同居を始めますが、互いへの情熱は抑えがたく……。愛を知らないプレイボーイ富豪と天涯孤独の乙女の切なくも甘美なシンデレラロマンス。