超ダメ男「電気ちゃん」に拾われた16歳の家出少女・鳥子(とりこ)。乳がんの宣告をされた26歳OLの寿寿(じゅじゅ)。凄腕の料理で男を次々と部屋に誘う38歳バツイチのきみ夜。男性より女性を愛する超美人ホステス、紫(むらさき)。「電気ちゃん」という奇妙な縁に引きよせられたのは、生きることがあまり上手ではない女たち。ひとりぼっちの魂をそっと包み込む五つの物語。気鋭のスト―リーテラーによる鮮烈な渾身作! 「魂が電気に触れたようだった。ぴりぴりと痺れる。痺れたその後、じんわりと温かく、豊かになっていく。そして、哀しくなっていく。鳥子、寿々、紫、きみ夜、電気ちゃん。一人一人の物語は孤独で異質で透明だ。この哀しさ、この澄んだ哀しさは、いったいなんだろう。そして、この強さは、なんだろう。一人一人の孤独が絡み合い、もつれ合い強く鮮やかな色彩を放つ。幼い鳥子がパレットの上に残した紫の色のようだ。人のもつ、物語のもつ、哀しみと強さがここにある。」 ――あさのあつこ<目次>電気ちゃん歯がたチョコレート種ざらめ※この作品は毎日新聞出版で過去に配信された内容と同一になります。重複購入にご注意ください