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旅する神々

五つの名を持つ大国主神の変幻自在な旅、浦島太郎のモデルとなった山幸彦の海神の宮訪問、吉備津神の温羅退治遠征、天照大御神の「永遠の宮所」を探し求める倭姫命の国覓ぎの旅、民俗行事にみえる仮面・仮装の神々の来訪――神は常在せず、古来、人びとの延長線上にあった。
『古事記』をはじめ神話や行事に息づく奔放で多情多様な「旅する神」の姿に、日本独自の神々と人びとの関係をさぐり、原信仰を浮かび上がらせる。
「日本は、ついぞ宗教統制をさほどに大事とせず、多神教が共存を是としてきた。
おもしろい、というしかない。
そこでの神々も多様な性格があるが、それも絶対的ではない。
時どきに変化もあり習合もあり、それがおもしろい。
ということは、神々と人びとの自在な関係がおもしろい――」(「第一章」より)序章 呼べば応える日本の神々第一章 大国主神の旅第二章 山幸彦の旅第三章 吉備津彦の旅第四章 倭姫命の旅第五章 倭建命の旅終章 招かれざる神々の来訪




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