俺のこの熱を忘れるな。<br />隣国の王の策略により両親と国を失ったロッカラーナは、敵国に媚びて生き延びるよりも、王女としての死を望んでいた。<br />だが願いは叶わず、王弟アルマンスールに屈辱的な方法で純潔を奪われ、側女とされてしまう。<br />彼への殺意をあらわにするロッカラーナ。<br />だが彼はなぜかその様子に安堵の表情を浮かべ、短剣まで渡してきて……。<br />その後、着飾らせるばかりでまるで手を出してこない彼を訝しむロッカラーナだが、新月の夜、彼の心の傷を知り――。<br />