世の不徳義を斬り、返す刀でみずからの恥部をえぐる。<br />この静かで激しい無頼の流儀──。<br />煙草(たばこ)とアルコールをかたわらに、時代遅れな‘私小説’の道を突き進む孤独な日々は、ひとつの意志と覚悟に満ちている。<br />したてに「落伍者」を自認する、当代きっての無頼派作家は現世の隙間になにを眺め、感じ、書いているのか。<br />軽妙な語り口でつづられる「週刊アサヒ芸能」連載の傑作エッセイ集。<br />